今更ながら新歓上映会企画の報告記事をば!
4月10日、映画『ラブライブ!The School Idol Movie』上映後に『ラブライブ!と弁証法』と題し、十数分程度の短い提起を行わせていただきました。
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ラブライブ!から強烈に感じられたドラマ性から出発して、「ドラマとは何か」「ドラマの本質である人間の変化」からそれらをよく説明できる「弁証法」を導入する、という流れです。さらにアニメ本編だけでなく、『Angelic Angel』『SUNNY DAY SONG』の歌詞にもそうした思想性が一貫されていることに着目しています。
提起後の質疑応答では会場から「提起では主にテキストについて言われているが、それなら映画という媒体でなくてもよいのではないか」というコメントがありました。
これに対し映研から、「テキストと映画の関係を考えることはヌーベルヴァーグやニュージャーマンシネマといった大きな映画の変遷の中での大きなテーマ」「演劇でもシェークスピアからテキストが重視されるようになった歴史がある」といった映画史的な観点から答えたうえで、「『テキストを超える』方法として2つあるのではないか。ひとつはJ・L・ゴダールのような映画のモンタージュを駆使していく方法。もうひとつはドキュメンタリ的な手法を取り入れる方法。映画ラブライブ!は後者ではないか。フィクションではあるが、キャラクターが自律的に考え行動しているように見える」と答え、そこから議論が盛り上がりました。「図書館戦争の有川浩も同様なことを言っている」「ドラゴンボールやジョジョの奇妙な冒険も」などなど。
テキストと映像という映画の大テーマにおいて、弁証法がさっそく問題となっているような、面白い議論となりました(ドキュメンタリ、つまり経験の問題は、ラブライブ!の重要な要素だと考えていたので、時間があれば提起に取り入れたかったテーマでもありました)。
そして最後は「ラブライブ!の『みんなで叶える物語』というテーマもまさにテキストを超えていく性格を持ったものだ」という話でまとめがなされました。
提起自体はラブライブ!の理解についても、弁証法の理解についてもまだまだ途上のものだったので、より深い理解で今後またラブライブ!を語る機会をつくりたいと思っております(ラブライブ!サンシャイン!!は本編を映画上映期間終了後に視聴。映画はまだ見れず。こちらはさらに思想的に深まっているという印象で、周りに絶賛布教中です)。
今年はラブライブ!シリーズ9周年。”いま”が最高!の物語をこれからも紡いでいってほしいと心から願います。
ラブライブ!The School Idol Movie 劇場版オフィシャルBOOK
- 作者: 電撃G’sマガジン編集部
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