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広島大学文化サークル連合の公式オンラインジャーナルです。

部落解放研究会2022年の活動

2022年(年度)を振り返ってみようと思います。

文化サークル連合に所属しています、広島大学部落解放研究会です。

2月にロシアによるウクライナ侵攻がはじまり、一気に戦争の時代を体感した学生・教職員は多いと思います。戦争の時代とは、差別の時代です。

わたしたち部落解放研究会は、差別の根絶と戦争絶対反対をゆずれない理念としています。昨年・2022年度はまさに差別・戦争をどう終わらせるかを考え抜き、走りぬいた1年でした。

3月3日 全国水平社創立100年

2022年の3月3日は1922年に全国水平社が創立してから100年を迎える日でした。2021年におこなった水平社博物館(奈良県)のフィールドワークを振り返りつつ、1週間前にはじまったウクライナ戦争を念頭に、戦争と差別と対決していくことを決心しました。

5月23日 石川一雄さん不当逮捕59ヵ年糾弾

5月、激動でした。5月15日は沖縄の本土「復帰」50年の日でした。「核抜き本土並み(基地負担)」の願いを踏みにじっての屈辱的・ペテン的な「復帰」から50年の日です。岸田首相や天皇が祝いに来ることなど許せない、と沖縄現地の人びととともに声を上げました。

5月22日にはバイデンが来日し、23日に日米首脳会談を、24日にはQUAD(日米豪印)を、岸田政権は東京でそれぞれ戦争会談を開催しました。日米首脳会談では「拡大抑止」(=核軍備)と「軍事費2倍化」をバイデン大統領と確認し、広島でのG7開催まで取り付けました。

日米首脳会談を弾劾しつつ、5月23日には狭山集会に参加しました。石川一雄さんが不当逮捕されてから59年を迎える年であり、水平社創立100年ということで、国家をしての権力犯罪、冤罪事件である狭山事件の再審を勝ち取り、石川一雄さんにかけられた見えない手錠を外すまで闘うことを決意しました。

夏 戦争との対決

7月8日、安倍元首相が銃撃され、死にました。すぐさま岸田政権・自民党を筆頭に、「リベラル」「左派」と呼ばれる議員まで「追悼」ムードを扇動し、安倍政治=戦争国家化を賛美しはじめました。

8月6日、9日と反戦反核を誓い、戦争絶対反対の声を上げました。7月から9月にかけて、「国葬」をめぐる議論が(旧統一教会問題なども含めて)盛り上がりました。カルトとのかかわり、法整備もないままの閣議決定での強行、思想・良心の自由の侵害、税金の無駄遣い、など様々な切り口で批判されていましたが、この国葬の核心問題は「戦争」です。戦争政治を行った人物(ウクライナ開戦直後に「核共有」と言った人物!)を賛美し、反対の声を押し切って強行する、これが戦争の問題でないはずがありません。

10月31日 寺尾判決48ヵ年糾弾

10月31日、寺尾判決で石川一雄さんに「犯罪者」のレッテルが貼られてから48年が経ちました。この日の10・31狭山集会にむけて、集会の基調を書きました。高校時代以来、部落解放にかかわってきた自分の歴史を振り返りながら書きました。

221031狭山集会基調.pdf - Google ドライブ

 

以上、簡単にではありますが2022年の振り返りとしたいと思います。

 

今年5月19日からは広島でのG7サミット開催がおこなわれようとしています。G7各国や首魁であるアメリカは、この1年間ウクライナで何をしてきたか。大量の武器輸出で停戦交渉をことごとく破壊し、軍需産業をぼろ儲けさせ、ウクライナとロシアの民衆に泥沼の殺し合いを強制し、戦車や爆撃機の供与にまで踏み切ろうとしている(戦車や爆撃機というのは言うまでもなく、「防衛」のためのものではない、「侵略」のための兵器であり、ロシアに攻め込んでやっつけるまで戦争を絶対にやめないという宣言だ)。G7の戦争屋たちが一堂に会して「平和のため」に話し合うはずがない。ヒロシマに来て核のボタンを平和公園に持ち込んで、戦争の話をする、というのがこのG7会議であり、止める以外ない。

そしてここで狙われている「次なる戦争」こそが中国への侵略戦争だ。沖縄・南西諸島にミサイルを配備し、沖縄戦を繰り返そうとしているのだ。大軍拡(軍事費二倍化と敵基地攻撃能力保有)に突き進む岸田政権を倒し、G7戦争会議をとめ、戦争を終わらせよう!