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広島大学文化サークル連合の公式オンラインジャーナルです。

広島大学第67回大学祭にて、映研主催の自主上映会やります! (1)挨拶編

広島大学名画座2018~ハローゴダール~ 開催に寄せて

今映画界は多くの問題と闘っています。

映画の総興行収入は、昨年度過去二番目に高い数字を出しました。今年は第71回カンヌ国際映画祭で「万引き家族」が最高賞を受賞し、「劇場版コード・ブルー」が久々の実写100億円を出しそうな勢いで、さらに低予算制作の「カメラを止めるな!」が世間をにぎわせています。

しかし一方でここ10年で多くの単館映画館が閉館し、フィルムマラソンの開催も採算が取れなくなってきて実施回数が少なくなっています。資本主義経済の下成り立っている映画界ではそれに見合わぬものは切り捨てなければならないからです。

しかしいまもっともはげしい問題。それは自由の弾圧です。

 映画界では、東映モスバーガーの意向をくみ取り日本シナリオ協会が主催する映画上映会での「ガキ帝国~悪たれ戦争~」の上映許可を抹殺。現在に至るまで納得のいく説明がなされていない状況であると聞きます。

この問題。じつは映画界だけの問題ではありません。社会、政治、経済、文化、教育などのありとあらゆる分野に及んでいる問題なのです。

多くの大学で今、思想という文化の核を発信するための言論が大学当局や国家に都合が悪いからと彼らの手で一方的に封殺されています。立て看板設置、ビラ配り、集会、上映会、学習会、誌発行などが一方的に禁止され、今では教授の反論すら認めていない大学も多くあると聞きます。

 こんな状況で、未来を切り開く役割を果たす文化の醸成がされると思われますか?

 我々はそんな中パリ五月革命から50年たつ今年、世界が誇る映画の巨匠ジャン・リュック・ゴダールの特集上映会を行うことで改めて文化の持つ強い意義を映画上映という形で再確認する機会を設けることにしました。彼は歴史を変えた映画監督でありますが、常に文化というものの立場、政治や歴史とはどうあるべきなのかという問題と対峙してきた一人の映画作家です。ゴダールが映画史の中で果たしてきた役割を考察することで我々は今一度文化やそれが持ちうる思想の重みを再確認することが可能だと思っています。

 創造があった場所、大学。そしてそこで名もなき人々から自由闊達に生まれてきた思想の重みに最大限の敬意を表し、残酷な美の出現と芸術の不滅性を証明する文化の醸成の糸口としたい。

 多くの皆様の参加、心からお待ちしております。

                           

                           広島大学映画研究会